FOOD & LIFE COMPANIESといってもピンとこないみなさんも多いことでしょう。同社は2021年4月に社名を変更したのですが、変更前はスシローグローバルホールディングスでした。そうです。同社は国内でスシローを運営する回転寿司業界のトップ企業です。テイクアウト寿司専門の京樽も子会社です。国内の回転寿司業界では30%を超えるトップシェアを確保しており、ライバル企業との差を広げつつあります。
私がFOOD & LIFE COMPANIESに注目するのは、国内での成長余地もさることながら、海外展開に力を入れているからです。同社が社名を変更したのも、海外展開を意識したことによるものです。
同社の海外売上高(海外スシロー)は2021年6月期ですでに170億円と大きいのですが、現在進行中の中期経営計画最終年度の2024年度には900億円(売上高に占める海外スシロー比率21%)を目指しています。台湾・香港はすでに利益貢献フェーズに入っており、今後は韓国、シンガポール、タイ、中国で出店を加速させる方針です。
海外旅行に行かれた方ならおわかりかもしれませんが、海外の日本食レストランでお寿司を注文すると、お世辞にも寿司とはいえないようなものが出されます。見た目も違和感がありますが、味もおいしくありません。そうした現状を踏まえれば、スシローが海外で本格的な日本の寿司を提供すれば、香港でみられたように、それほど時間をかけずにブランドを確立できるのではないかと考えます。
同社は中期経営計画のさらに先を見据えた“目指すべき姿”を公表しています。同社によれば、将来の“目指すべき姿”とは、売上高1兆円、営業利益率10%以上、ROE20%以上の日本発の外食企業として世界で重要なポジションを得ることです。その時に、国内事業は寿司を中心とした“食”の範囲を拡大した総合外食企業に成長し、海外事業はアジア・米国・欧州へ進出して海外売上高比率を50%近くまで高めるとしています。
私は“目指すべき姿”のハードルは高いものの実現可能であると考えています。期待も込めて日本を代表する外食企業として、FOOD & LIFE COMPANIESにはグローバル企業に成長してほしいですね。同社のこれまでの成長の軌跡を踏まえれば、スシローならやってくれると思わせてくれます。