物語コーポレーションは外食の大手企業で、焼肉部門(焼肉きんぐ)を主力にラーメン部門(丸源ラーメン)、お好み焼き部門(お好み焼き本舗)、ゆず庵部門(寿司・しゃぶしゃぶ)などを展開(直営店・フランチャイズ店)しています。
業績面でみると2020年6月期はコロナの影響を受けはしたのですが、それは一時的なものに止まり、2021年6月期からは回復軌道に乗りました。直近の2022年6月期は売上高・営業利益ともに過去最高を更新する見通しです。外食企業のなかでは、ひときわ好調が目立ちます。
物語コーポレーションの企業理念は「Smile & Sexy」です。これって、おもしろそうですよね。でも正直に言えばよくわからないです。ところが社内報(The Monogatari、2021年7月号)で加藤央之社長は「Smile & Sexy」について次のように語っています。
“私たちの経営理念「Smile & Sexy」は伝わりにくいところも確かにあります。だけど人それぞれの解釈が入る余地があって、それが面白味や人間味を生んでいるのではないでしょうか”
なるほど。「Smile & Sexy」は自分なりに考えていいと言うことなんですね。私が同社に注目するのは、外食業界のなかでダイバーシティが最も進展している企業ということです。これを示すのが同社の外国籍社員(同社ではインターナショナル社員と呼んでいます)のデータです。同社には2021年6月時点で13カ国126人の外国籍社員が働いています。全社員に占める割合は10%を超えます。
外国籍社員を単に人手不足だからという理由で採用するのではなく、日本人社員と同じ幹部候補生として位置付けているところがすばらしいと思います。同社には2021年6月時点で外国籍社員から店長が18人、副店長が19人出ています。加藤社長が言われるように、日本人社員と外国人社員が熱く議論して意思決定を行っているのでしょう。